←prev entry Top next entry→
プロフィールに境界性人格障害(パーソナリティ障害)と書かない理由
170618_01s.jpg

先日のセルフマガジン大賞受賞作を見ていても思ったのですが、
最近、肩書きやプロフィールに自身のつらい経験を書かれる方が増えている気がしています。
(性的虐待/DVを経験した、うつ病を克服した、家族が病気になった/子どもを亡くした…等)

Twitterのプロフィール欄でも、診断された病名や疑わしい障害名などを書いていらっしゃる方をよく見かけます。
メンヘラ.jpに読者投稿をしている影響で、そういう方をよく見かけるだけかも知れませんが)

肩書きに書かれる人は、
「同じ経験をした人を助ける仕事」をやろうとしていらっしゃるから。
プロフィールに書かれる人は
「同じ(ような)病気の人たちと繋がりたい・情報共有をしたい、同じ苦しみを持つ人の助けになりたい」
などの気持ちがあるからかな、と思っています。

わたしも過去、自分に診断された精神疾患名
「境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)」
とタイトルや本文に入れた記事をいくつか書いており、
同じ経験をした方の参考や少しの助けにでもなればいいな〜という気持ちはあります。

が、肩書きやプロフィールには書かない。

何でかというと、
「そういう病気を診断された人間でも、関係ない顔してやっていけるようになりますよ」
というのを自分自身で証明できたらいいな、と思っているからです。
 
●「もっと病気っぽい人かと思ってました」と言われていた自分

わたしが境界性パーソナリティ障害全盛期だった頃、
ブログは今よりもっともっと病んでいる内容だったんですね。

その状態でブログを読んで下さっている方と会う機会があると、
ほとんどの方に以下のような事を言われていました。

「もっと病気っぽい人かと思っていました!」
「意外と普通なんですね!」

言い回しが変わっても、大体こういう評価を受けていました。
自分は見るからに病んでるのバレバレ人間だと思っていたので、この言葉には正直驚きました。

精神疾患を診断された方の何割かには分かって頂けるのでは…と思いますが、
自分が病気になると、何となく精神を病んでいる方って黙ってても分かりませんか?
しかし「スタンド使いは引かれ合う(byジョジョ)」と一緒で、わたし自身が病んでいたから
“病んでいる人の特徴が分かり、なおかつ嗅ぎ分けるのが上手くなっていた”だけで、
一般の(精神疾患を持っていない)人は病んでいる人の特徴なんて知らんし、
あんまり興味もないんだなーってことが上記の発言で分かりました。

自分は黙っていれば、「意外とふつう」に見えるのです。
黙っていればその辺の人と同じに見える自分を、わざわざ
「わたし病気持ちでーす!」って言いふらすメリットってどこにあるのかな、とその時考えました。


●精神疾患名を肩書きや自分アピールに使う事の危険性

自分が肩書きやプロフィールに
「境界性パーソナリティ障害」を書かない理由は、そのことに少し危険性を感じたからというのもあります。
わたしが考える危険性はおおざっぱに言って以下の2つです。

1.「精神疾患ジャンル」に所属し続ける必要が出てくる
メンヘラ.jp編集長わかり手(小山晃弘)さんがエキサイトコラムで
「メンヘラ.men’s」というコーナーを持っておられまして、わたしこれよく読んでるんですが、

【Twitterにおけるハッシュタグ文化と「つながりたい」欲求】
という記事でわたしが感じている危険性を指摘していらっしゃいました。

いったん精神疾患ジャンルにメンヘラとして所属する(この言い方も誤解を生むものがあると思いますが)
と、そこからなかなか抜けられなくなるのでは? と思っています。

現在つらい経験や病名を肩書きに入れている人は、そのほとんどが“既に克服した”方のように思えます。
しかし現在進行形でなんらかの病気(障害)を持っている場合、それを売り文句にしてしまうと、
「その病気の当事者である自分」を求められる気がするんですね。

治ってしまったり症状が出なくなったりすると、「当事者」ではなくなるので、必要とされなくなってしまう。
必要とされたいがために、“病気を治さない(治せない)”状態が出てくるのではないかと考えました。

わたしは境界性パーソナリティ障害を治したかったので、
「治せなくなるかも知れない」状態には足を踏み入れたくありませんでした。

2.「病気に甘えてる」などと言われる
これは肩書きやプロフィールに入れなくても、記事を書いているだけで言われましたが。笑
病名をオープンにしてると必ず言われるのが
「病気だから許されると思ってるんですか?」
「病気を言い訳にしてるように見えます」
「病気に甘えてるんじゃないですか?」
という言葉ですね。

何でこういうセリフが出てくるかというと、このおっしゃってる本人が
「今まさに精神状態ギリギリの状態で、でも精神疾患のことは言わずに
(もしくは診断されることすら拒んで)頑張ってる」からだと思うんですよ。
多分ね。憶測なんで、実際のところは知りませんが。

わたしはこれを言われた時、もうほとんど境界性パーソナリティ障害が寛解しつつあったので
「はあ」
としか思わなかったんですが、
「病気を言い訳にしてる・甘えてる」
なんてのは、うつ病の方などに絶対言っちゃいけない言葉なんですね。

下手すると死に至らしめる事ができます。
嫌いな人がうつ病になったら言ってみてください。
あなたの一言で簡単に殺せると思いますよ。
身体的には生き延びられても、心が殺せます。

精神疾患真っ最中の人が精神疾患名を肩書きにして活動をすると、
その活動が少しでも目だとうものならまあ間違いなく言われると思います。
「病気に甘えてる」って。

わたしはそういう事を言われて自分が追い詰められるのが嫌だったので、
やはり肩書きにするのはやめようと思いました。

2〜3人に言われる分には「なんか言っとるわ」で済みますが、
さすがに何百人何千人単位で言われたら耐えられる気がしませんからね。経験したことないですけど。


●現在の周囲の評価「元メンヘラ」

しかしながら上記の危険性を考えつつ(書きつつ)思うのは、「今わたしは当事者なのか?」という事です。

そもそも境界性パーソナリティ障害全盛期だった頃ですら初対面の方に
「病んでるようになんて全然見えないですよ!」と言われていたのに、
ほぼ寛解している現在なんてますますそういう評価は受けません。

近年でも友人に
「ねんちゃん(わたしの事ね)、元メンヘラだもんな」って言われました。

ただわたし、過去何度か
「もう治ったんじゃね!?」
という状態になってはぶり返す、というのをやってきているので、
「境界性パーソナリティ障害を乗り越えました!」
とかおいそれと言えないんですよね〜。

たとえば風邪なら、咳や鼻水が止まって熱が下がって喉も痛くなくなったら「完治」じゃないですか。
精神疾患なんて、どのレベルをもって「完治」か分かりませんもん。

たとえば今心療内科に行って診察をしてもらったら
「あ、もう治ってますね〜」って言われるかも知れないけど、先ほども言ったようにぶり返す危険性があるので。
しかも年単位でぶり返しますからね。

「うつヌケ」で話題の田中圭一先生の対談記事を先日読んだんですけど、氏も
「『うつヌケ』という名前の本を出してはいるけど「うつが治る」というのは元の状態に戻るわけではない」とおっしゃってましたから。
詳しくはこちらの対談記事でどうぞ(上記の発言は後編に書いてあります)→https://kadobun.jp/talks/1

わたしは症状が穏やかになったけど未だに不安が爆発しそうな事は何度もあるし、
とても胸を張って「克服しました!」と言える状態ではありません。

克服した人は肩書きに入れていいと思ってるんですよ。
だから克服できていない(気がする)自分は、まだ肩書きに入れていい段階じゃないと、そういうわけです。


●現在の仕事にパーソナリティ障害がそこまで関係ない

色々とグダグダ書いてきましたが、一番の
「パーソナリティ障害を肩書きやプロフィールに入れない理由」は

“現在の仕事にパーソナリティ障害がそこまで関係ない”

からなんですね。

わたしが例えばパーソナリティ障害を克服するセミナーを開いてたり、
資格を取ってカウンセラーをやってるならまだしも、
イラストとかデザインの仕事には全く関係ないので。

現在ブログ上で連載してるコミックエッセイは
「境界性パーソナリティ障害」
を一部取り扱ってるけど、それが本題ではないし、しかもこれは仕事じゃないですしね。

もしわたしと同じように
「自分が経験したつらいことは肩書きに入れるべき?」と悩んでいる方がいらっしゃったら、
“現在の仕事に関係あるかどうか”で決めた方がいいと思います。

その病名や経験を入れた方がより一層アピールできるなら、入れる。
たいした効果にはならないどころかデメリットがあるなら、入れない。

わたしは「今のところ仕事上ではたいしたメリットにならんな」と思っているのと同時に、
記事冒頭で書いたように
「そういう病気を診断された人間でも、関係ない顔してやっていけるようになりますよ」
というのを自分自身で証明できたらいいな、と思っているので、肩書きには入れていません。

まあ、実際のところは続けてみないと分からないですけども。
今後「やっぱり肩書きに入れた方がいいなあ」と思ったら入れるし。
けっきょく一生入れないかも知れないし。

ただ、今はこういう気持ちでいますよというのを書きたかったのでした。
単純に、迷っている自分の心を整理したくてこれを書いた、というのもあります。

ということで、以上です。
ごきげんよう。さようなら。

(今回珍しくアイキャッチ画像に自撮りを使ったのも色々思う所があるのですが、
 これ以上書くと長くなるのでやめておきます〜また機会がありましたら。)


◆◆ともえの活動&企画◆◆

【無料セルフマガジン「ぱりこれ。」配布中】

【おじねこ。〜おじさんのネコトバ〜LINEスタンプ販売中】

【ネコトバ。出雲弁LINEスタンプ販売中】

【ネコトバ。+食べ物イラスト画集(カレンダー付)販売中】

【ネコトバ。イラスト集発売中】


◆SNSもフォローしてみて下さいね◆






基本的に申請承認/フォロー返ししています(例外あり)。

* * * * *
ブログ応援クリックして頂けたら嬉しいです。
ブログランキング・にほんブログ村へ
よろしくおねがいします踊り

【ブログサークル加入中、お気軽にフォローどうぞ】

*何かご意見ご感想などございましたら。(携帯対応)
【web拍手を送る】
【メールフォーム】※SSL対応

フォームからの返信は基本基本3〜4日以内に行っていますので、
いつまで経っても返信が来ない!という場合は、
こちらに届いてないか、
私が送ったメールが迷惑メールフォルダに入っている可能性があります。

返事が返って来ない時は、
まず迷惑メールフォルダをチェックしてみて下さいね!



★2通目以降の返信は3日以上かかる場合もあります。


JUGEMテーマ:コラム




コメント
2017/06/18 12:44 PM posted by: にこちゃん
はじめまして。
同じ島根県在住でパーソナリティー障害のにこちゃんと申します。
ともえさんの記事を拝見して、自分はどうだろうと思いました。
ブログでは、パーソナリティー障害を隠してはいません。けれど、同じ病気の方のお力になれるほど強くはありません。
ともえさんのようにしっかりした意見を持ち合わせておりません。
長い間治療を続けて、いくらか生きやすくはなりました。けれど、まだまだ治療は続けていかなければなりません。
また、記事を楽しみにしています。
2017/06/18 11:29 PM posted by: ともえ
>にこちゃんさん
初めまして、コメントありがとうございます。
あんまり県内の方からパーソナリティー障害の話題に触れていただく事がないので、嬉しいです。

いえいえ、わたしも推定20年くらい境界性パーソナリティ障害やってきて、やっとこういう考えに行きついたので…。
治療過程では人の役に立とうなんて思ってなかったです。
今も「役に立てればいいなあ」とは思っていますが、実際役に立っている実感はあまりありません。

治さなきゃと思うとつらいんで、ゆっくり進めばいいと思いますよ。
わたしは焦りすぎてたくさん潰れましたので…。

話題が雑多なブログですが、また読んでいただけたら嬉しいです(^O^)
コメントする








   

calendar

S M T W T F S
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    
<< October 2017 >>

profile

categories

selected entries

archives

recent comment

  • フリーランスは「んっ?」と思わせてナンボ 〜名刺・キャッチコピー編〜
    巴(ともえ) (09/25)
  • クリエイターさん、その値段を「高い」と言われても気にしなくてOKです。
    巴(ともえ) (09/25)
  • 「何かイベントごとがある時に限って色々かぶって慌ただしくなる」時の対処法
    巴(ともえ) (09/25)
  • フリーランスは「んっ?」と思わせてナンボ 〜名刺・キャッチコピー編〜
    にゃんシロウ (09/17)
  • クリエイターさん、その値段を「高い」と言われても気にしなくてOKです。
    そると (09/15)
  • 「何かイベントごとがある時に限って色々かぶって慌ただしくなる」時の対処法
    ちょ (09/15)
  • 【30代不器用恋愛4コマ漫画】おじさんとねんちゃん。116「しにかけた・1」
    ともえ (08/19)
  • 【30代不器用恋愛4コマ漫画】おじさんとねんちゃん。116「しにかけた・1」
    あまり (08/17)
  • 【30代不器用恋愛4コマ漫画】おじさんとねんちゃん。109「うでどけい」
    ともえ (08/04)
  • 【30代不器用恋愛4コマ漫画】おじさんとねんちゃん。51「ちょうはつ」
    ともえ (08/04)

SNS

links

search this site.

blog ranking

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM