先日、1通のメールが届いた。
何と差出人の方は、同人活動を始めた頃くらいのわたしを知っていると言う。
自分の記憶が確かならば、わたしが同人活動を始めたのは、中学生くらいからの筈だ。
(同人活動が何なのか分からない一般の方はそのまま過ごしてもらいたいものだが、
気になる方のために大雑把に説明すると、自分で絵や漫画を描いて自費出版する活動のこと。
既存アニメや漫画・小説等をモチーフに制作をする人が多い)
「10年前からブログを見てました」
という方は何人かご申告いただいた事がある。
しかしわたしが同人活動を始めた頃というと、かれこれ20年くらい前である。
スゴイ!
わたしはかつて、「わけわかめの黒羽雫(クロハシズク)」という同人作家だった。
* * * * *
ここ島根県には、同人活動を行っている/いた者なら大体知っているであろう即売会イベントがある。
それが
「花鳥風月」である。
最近、島根県で活動している手作り作家さんにフォローして頂く機会があり、
その中にその「花鳥風月」に参加されている方が何人かいらっしゃって驚いた。
素直な感想を言えば「まだやってたんだ!」である。
たとえば企業が運営している即売会や、いわゆる「コミケ」と呼ばれる
東京国際展示場(ビッグサイト)でやるような大イベントなら別に驚かない。
現在は定かではないが、花鳥風月は個人の方が主催していたイベントの筈である。
島根県という片田舎にあるくにびきメッセという施設で、
(全然ビッグサイトのような規模ではない)
個人主催の即売会イベントが20年も続いていることに驚いた。
これは主催の方がよほど敏腕だったのか、山陰のオタクがとても強かったということなのか。
最後に「花鳥風月」に参加してからかれこれ10年以上は経過するはずなので、真実は判らない。
* * * * *
最後に何のジャンルで参加したのか、はっきり言ってまったく思い出せない。
花鳥風月に参加はしなくなったが、ネット上でオタク活動はしていたし、
友人の同人誌に寄稿したりしていたので、オタク活動の終焉があやふやなのである。
(今だって時間があれば、けものフレンズのイラストを描いてPixivに投稿したい)
ただ、最初に同人活動をやった時のジャンルは覚えている。
封神演義と新世紀エヴァンゲリオンだ。
「ヱヴァンゲリヲン」じゃないやつ。
そのあとTWIN SIGNALというロボット漫画にハマり、これでかなり人生が狂った気がする。
でも人生で一番いっしょうけんめい漫画を描いていたような気もする。
同人イベントに参加するためには、“サークル名”というのが必要になる。
わたしは友人と合同サークルを作り、「わけわかめ」というサークル名をつけた。
確か「訳若布」という漢字表記があった筈だが、どっちが先だったのかは覚えていない。
その後、合同サークルが色々面倒くさくなり、個人サークルを立ち上げた。
最初は「仮想現実空間」とかいうサークル名だった気がする。何だそれは。
きっとTWIN SIGNALにハマっていたせいだと思う。
わたしの名前は「黒羽雫(クロハシズク)」だった。
中2病を大いにこじらせていたので、途中から読み方を「クロハシヅク」に変更した気がする。
なぜ「ズ」ではなく「ヅ」でなければ駄目だったのか、当時の自分に問い正したい。
お前はなぜそれを格好いいと思ったのだ。
ちなみにお隣の県が出身である青山剛昌先生の作品で同人活動をしたことは一切ないので、
ペンネームの苗字が某怪盗少年と同じなのは偶然である。
社会科の地図帳で苗字になりそうな地名を探していたら、「黒羽」というのがあったのだ。
雫はどこから来たのかさっぱり分からない。たぶん適当につけた。
羽に雫って綺麗だな、と思ったのではないだろうか。
中2病だったし。
* * * * *
ところで「花鳥風月」には、パンフレットに参加者からの4コマを掲載するコーナーがあった。
わたしの記憶が確かならば「トキメキ18番!」とかいうタイトルのコーナーだった気がする。
今も「トキメキ18番!」なのだろうか。
小学校6年生の時、津山ちなみ先生に憧れて
国民的少女漫画雑誌「りぼん」に4コマを真剣に投稿していたわたしは、
中学生になっても高校生になっても4コマを描くのが好きだった。
なのでもちろん花鳥風月にも4コマを投稿していた。
そして、気づいたらわたしはこの4コマコーナーの常連になっていたのだった。
「あの4コマの黒羽さん」と言われることも度々あった。
花鳥風月の4コマは、みな一様にして“現実に起こったことを題材に”描いていた。
(なぜそうだったのかは未だに分からないが、そうすることが当たり前であった)
要するに、コミックエッセイ4コマである。
当時を覚えている方からしたら、わたしが今コミックエッセイ4コマを綴っている事に関して
「まだ描いてるのかよ!」
と思うだろう。わたしも自分で思った。
別に20年間ずっとコミックエッセイを描き続けてきた訳ではないが、わたしは結局20年前の
「あの4コマの黒羽さん」からほぼ何も変わっていない訳である。
原点回帰というやつか。
結局おなじ場所に戻ってきてしまった自分を、妙に愛おしく感じた。
あの頃の自分と変わってしまったものは沢山ある。
それなのにわたしは、“コミックエッセイ4コマを描きたがる”部分だけは変わらなかったのだ。
* * * * *
メールの主は「ともえさんの中で黒歴史かもしれない」
「昔の話を持ち出されて不快にさせてしまったら申し訳ない」と言っていた。
とんでもない。むしろものすごく面白かったし嬉しかった。
わたしは結局マンガ好きで4コマ好きでコミックエッセイが好きな女だった、という事が分かったし。
(しかも描く方が)
実を言うと、最近マンガ界でコミックエッセイが流行っているような気がするので
「自分も結局、流行に乗った者のひとりに過ぎないのか…」
と少し落ち込んでいたのである。
今回の件で「いや、わたし20年前からコミックエッセイ描いてたんじゃん」と思えた。
(正確には4コマ全盛期は高校生だったので、17〜8年くらい前だが)
そもそも流行りだしたのは最近だが、
コミックエッセイというジャンル自体はそれこそ20年以上前から存在していたのである。
別に引け目を感じなくてもいい事だったと気付けた。
* * * * *
わたしはずっと「黒羽さん」を知っている人なんて、
もはや誰一人このブログを読んでいないだろうな、と思っていた。
いわゆる黒歴史を知っている人がいないというのは楽なことかもしれないが、
わたしは今回「黒羽さんの時から知っています」と言われてとても嬉しかった。
もちろんメールの主も、20年間ずっとわたしのブログを読み続けていた訳ではない。
いつもなぜか偶然に、わたしのブログと接する機会があったのだそうだ。
そしてその度に「黒羽さんはまだがんばっているんだなあ」と思って下さっていた。
ひとりの人の記憶にこれほどの長い間残っていられたことが、とても嬉しい。
わたしは今や「わけわかめの黒羽雫さん」だったことを隠したい気持ちがまったくない。
黒歴史は黒歴史なんだろうけど、20年も経つと正直、恥ずかしいより「面白い」が勝つ。
途中で「Love*Drugのモエコさん」という名前だったこともある。
同級生以外で知っている人はいるのだろうか。
それにしても「Love*Drug」がやはり香ばしい。
何だよドラッグて……。
そういえば「わけわかめ」というサークル名をつけたのは、
当時「すごいよ! マサルさん」がめちゃくちゃ好きで、主人公たちの通う高校が
“わかめ高校”だったからだと思う。確か。
ちなみにマサルさんでは同人誌作ってません。あしからず。(便箋は作った)
* * * * *
このメール主以外にも、黒羽雫さんを知っている方はいるのだろうか。
もしいらっしゃったら、申告して下さったら嬉しい(というか面白い)です。
当時の原稿とかは全部処分してしまったのだけど、
昔の絵が見たい方は
こちらの記事をご覧ください。
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ごきげんよう。さようなら。
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